クマに食われるということ

羆嵐

先日、富士サファリパークで飼育員がクマに襲われ犠牲になるという悲しい事件がありました。
ご冥福をお祈りします。
マニュアル通りにやらなかったことが命取りになってしまった可能性が高いそうで・・・おそろしや。


大正時代には、クマが北海道の開拓民の村を襲って村人が次々に食われるという事件があり、
これが「羆嵐 (新潮文庫)(くまあらし)」というタイトルで、小説や映画やラジオドラマになっているそうです。
というわけでその小説を読んでみました。


こわっ。
このクマが、強いしでかいし凶暴だし食いっぷり凄まじいしで、
大自然の脅威をまざまざと。
もはやクマに神聖なものすら感じてしまうほどの勢い。


引き込まれる怖さがある。
読んでいると、自分までが生態系のピラミッドの下に組み込まれていて、いまにも食われてしまうのではないか、という変な恐怖のような気分さえ感じてしまうのでした。


この変な気持ちは、かつてヒトがサルだったころの野生の本能なのかもしれない。
まあ食われるのが怖いのは当たり前か。


富士サファリパーク ヒグマに襲われ職員2人が死傷
http://www.sankei.co.jp/news/051026/morning/26na1003.htm