いまかんがえたおはなし「のこたろう」
きのうのコミティアで撮影した東京ビッグサイトにある、「ビッグサイトロンの武器」の写真を見ていたら、
こまったことに「おはなし」が浮かびました。
浮かんでしまったので書いておきます。
◆のこたろう◆
むかしむかし
あるところに、
おじいさんとおばあさんと、
のこぎりの「のこたろう」がいました。
ある日、
おじいさんがしばかりから帰ってくると、
なんと、でかい桃が。
おじいさん「でかっ!もも、でかっ!」
おばあさん「さっき川で拾ったんですよおじいさん。」
のこたろう「俺に切らせてくれよ、これ。」
爺&婆は「のこぎりで切るのはなんかちがう」と思ったので、無視して包丁で切ると、
なかから桃太郎が出て来て、いろいろあって鬼退治しました。
しばらくすると、こんどはおじいさんは、
なんと竹やぶで光る竹をみつけました。
おじいさん「まぶしっ!たけ、まぶしっ!」
のこたろう「俺に切らせてくれよ、これ。」
おじいさんはやはり「のこぎりで切るのはなんかちがう」と思ったので無視してナタで切ると、
なかからかぐや姫が出て来て、いろいろあって月に帰りました。
しばらくすると、こんどはなんか、
裏の畑でポチが鳴いてます。
「ここほれわんわん!」
おじいさん「うわ!うちのいぬ、しゃべった!」
のこたろう「俺で掘れよ。」
おじいさんは、やっぱり「のこぎりはなんかちがう」と思ったのですが、
いいかげんにしろと思って、「のこたろう」で掘りました。
しかし、のこぎりは、
掘る道具では
なかったのです。
ぱいいいぃぃぉぉぉぃぃん。
それが、のこたろうの最後でした。
のこたろうは、変な音を立てて折れ、壊れたのでした。
そのあとおじいさんはクワで掘り、
いろいろあって花咲かじいさんになりました。
「なんかよくわからんが、自己主張だけは強いのこぎりだったなあ・・・」
と、おじいさんは思いました。
さて。
有明にある東京ビッグサイトには、
大きなのこぎりが刺さっています。
まさしく
「なんかよくわからんが、自己主張だけは強いのこぎり」です。
これが作られた経緯は別にありますが、
これはもしかしたら「のこたろう」の生まれ変わりかもしれません。
あ、でも、洋風ののこぎりですね。
ということは
外人に生まれ変わったのかもしれませんね。
地面に刺さっているのは
こんどこそ、あの日掘れなかった「お宝」を掘ろうとしているのでしょうか。
こうして
のこたろうの挑戦のたましいは、きょうも有明を見守っているのでしょうか。
「掘るのこぎり」たちが集う、この場所を。
とっぺんぱらりのぷう。
=おわり=