水の星へ愛をこめて
明日は四日市で同人イベントなので、池袋から夜行バスで三重行き。
そんでバスの待ち時間に、池袋で映画「機動戦士ZガンダムIII-星の鼓動は愛-」を観ました。
なんか要望があったので感想を多めに書いとこう。
ネタバレ注意。
●新規作画のZはなんとなく目元がかわいい。
「Ⅱ」では控えめだったメカアクションシーンが今回はたっぷり。
新規作画がやっぱかっこいいです。
なんかもうくたくたに疲れちゃうくらいよく動いてます。
Zの変形シーンがあんまり見れなくて残念だなあとか思ってたら、
ラストシーンで、歴史的なカミワザの変形シーンが見れました。
生きててよかった。
●シャアのケーキの食いっぷりについて。
アーガマのみんながケーキ食ってるところにシャアが登場!
「わたしのぶんは?」とか言ってケーキを要求し、
ファから強奪したそれを、無表情でうまそうに食っていました。
「シャアもケーキ食うのか」と思いました。
ケーキをねだったりケーキを食ったりするシャア。変な絵。
まあ、みんなが食ってたら自分も欲しいよね。
いくらシャアでも。
そういえばずいぶん昔にNHKの「トップランナー」で富野由悠季監督が出たとき、
富野たんが女性司会者のひとが作ったケーキを食わされてたことがありました。
御大は「こういうケーキはどうのこうの・・・」とか、ぶつぶつ文句いいながらもうまそうに食べていました。
そのときも「富野由悠季もケーキ食うのか」と思いました。
今にして思うと、そういう体験があのシーンを作ったのかもしれない。考えすぎか。
●ハマーン・カーンの演技について。
ドスが効いてた一方で、なんとなく心の弱みもふくんだ、人間味のある演技。
ガンダムエースという雑誌には今まで3回ほど?ハマーン役の榊原良子さんのインタビューがありました。
これらのインタビューがすごくよかった。
彼女は、ハマ―ンに人気が出たことに対して、ずっと苦しんでいたそうです。
ハマーンは、人気が出るようには演技していないし、
ハマーンの人気が出るような現象の不健全さが嫌だと。
自分の演技が未熟だったから人気が出たのではないかと苦しんだということです。
それで、ハマ―ンがなぜこんな性格になってしまったのかとか、いろいろ考えたということです。
榊原さんがそういう思いを持って演技したから、人気が出たんだと思うんですけどね。
そして榊原さんが、自らのハマーン論を、北爪氏との対談でも思いっきり叩きつけてたのも、とても良かった。
そして今回の劇場化で、ハマーンに対する考え方を踏まえた演技をされたということで楽しみにしていました。
すごく深みのある演技で、味わい深かったですよ。
余計に魅力的なキャラになってしまったかもしれない。
それから新たな作画で、ハマーンと目が合ったミネバが、ハマーンから目をそらせるシーンも○。
●ヘンケン艦長の男らしいところがカットされなくてほっとした。
●ラストシーンについて。
カミーユがファと回ってた。
ぐーるぐーる回ってた。
俺もファとあんなしてぐーるぐーる回りたいなあもういいなあもうカミーユくそうもうぐーるぐーる回りやがってくそーちくしょーいいなあもうカミーユめてやんでーバーローちくしょー(このひと欲求不満らしいんでほっといてください)。
カミーユは、シロッコに心を連れてかれませんでしたとさ。
変わりにぜろぜくしむの心が連れてかれたみたいで。
TV版の特異なラストシーンから、スタンダードなラストシーンに生まれ変わりましたね。
富野監督は「Vガンダム」で猛烈な自己嫌悪に陥って以降、
「ブレンパワード」や「∀ガンダム」「キングゲイナー」と、前向きな傾向の作品(いわゆる「白富野」)が続いていたわけですし、
TV版「Z」は、達成感と、作品への不健全性の自己嫌悪を抱え続けていた作品だったので、
だとするともう、ラストシーンはこうなる以外ありえなかったわけです。
私はZ劇場版の製作が発表された瞬間から、こうなることを期待していました。
これを見るために3部作いちいち映画館行ったんだからもー。
「ZZ」での、廃人カミーユを看病するファは、可哀想で見てられなかったからね。(ラストで救われたとしても。)
といいつつ、もともとTV版Zの持っていた危うさも、やっぱり色々残っちゃってるところも結構気に入ってたりして。
カミーユがバイザー開けちゃったり。
●ホワイトベースのクルーたちのその後が新しく追加。
出ないはずのアムロ・レイも出ちゃった。
「Ⅰ」「Ⅱ」は「機動戦士ガンダム」の続編として機能した部分が結構あったけど、
今回はストーリー上の問題もあって少なかった。
そのぶんのオトシマエをつける、サービスカットなのかな。
素直に喜んでおきます。
●最後のGacktのラップの歌はイマイチ合ってなかった。